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某 都内喫茶店 中
待ち合わせのはずの制作を待つ、劇団主宰の佑里沢。
しかし制作が居ない。
・・・あいつ、何やってるんだろうなあ・・・。おや、店の外で・・・
あー、プードルだって、 あれ・・・あいつだ・・・!!!
カランコロン(そのアイツが喫茶店に入ってくる)
おい!・・・何やってるんだ
いや、子供が泣いてたからつい。主宰が時間通りに来るなんて思ってもいなかったよ
何やってるんだ、待ってたんだぞ、それとプードル僕にもください
はいよ・・・
(
プードルをもらって子供のように喜ぶ)
では、インタビューはじめようか
うん・・・では、今回公演の・・・
その前に軽く自己紹介をさせてね。今回から制作に入りました、ふーせんと申します。よろしく
ああ、そうか。・・・ふーせんは どうしてここに入ってくれたんだい?
前回の公演を見た人はピンとくるだろうけど、少しだけ関わったでしょ
ああ・・・風船ふくらましてくれたな。客席で
せっかく関わったのに、あれで終わりにしたくないなーと思って
最初はネムリタでお客さんとしてきてくれたんだよね。ありがたいことです。その節はどうも
彼女と一緒に来て、二人ともいっぺんにファンになりました。こちらこそどうも。……そういえば前回のインタビュワーの金倉さんも 元はファンだったのだよね
本当にありがたいことです。ところで、ふーせんは制作経験ってのはあるのかい?
それどころか!演劇を見た経験さえ2回くらいしかなくて
なるほど・・・。そりゃ 頼もしい(笑) まあ、異色の制作ってことでいいよね。大道芸人やってる制作ってあんまりいないしね
あんまり想像付く組み合わせじゃないものね。 まあ そんなわけで 演劇素人だしカリバカもネムリタからだし 今回のリメイクする元ネタである「噂のアレ」をまったく知らないのです
なるほど。そりゃそうだ。
「噂のアレ」は、どんな公演だったの?
噂のアレ→甲虫とゴシップ
僕が大学4年のときに作った公演だったんだ。今のカリバカのメンバーだと 大口くらいかな、知ってるのは。当時から 彼は なんだか妙な雰囲気があったねえ
妙な、というと?
なんだかこう つかみどころがないというか。ぬるっとした空気をもっていたな。 実生活ではそんなでもないんだけど 舞台上だと ぬるっとするよね。粘液を体にまとってるような
それは噂のアレでも発揮してた?
そうだね。噂のアレってのは どういう話かって言うと。 まあ、今回にも通じるところがあるんだけどさ、都市伝説ってあるじゃない。いくつか知ってる?
うんうん。ミミズバーガーとか
そうそう、知ってるね!マク○ナルドでミミズの肉つかってるんじゃないかっていう話あるじゃん。 ああいう、実際にはデマなんだけど口コミで話題になった話しってあるでしょ。 ああいうの都市伝説っていうんだけど それを 広める会社の話なんだ
広めるのが仕事なんだ
そうそう。それを広める会社があった。 大口は その社員役で出ていたんだ
へー。どんな噂を流したの?
裏ドトールの噂ってのがある。ドトールは深夜0時すぎになると 裏ドトールに変化する・・・。そこでは酔った客の胃にやさしいように コーヒーのカップにお粥をいれて出す・・・。ドボドボとコーヒーカップにいれられる粥・・・。それを見て微笑む店員・・・。だが昼間「裏ドトールってあるんですよね?」と店員に聞くと 「そんなのあるわけないじゃないですか・・・」と妙な顔して笑われるっていう噂
聞いたこと無いぞ、そんな噂
それは オリジナルだからね(笑)
ああ、つまり
カリバカテイストのギャグが満載
だったわけだ
そういうこと。 実際 説明してしまうと 簡単に聞こえるけど、 粥が コーヒーカップにドボドボはいっていくときの
大口の顔
とかね。それを見て微笑む店員をやるときの
大口のしぐさ
とかね。結構くだらないわけよ。他にも 阪神にバースが戻ってくるという噂とかね。 そういういくつものくだらない噂満載の公演だった。 結構 好評でね。いまだにアンケートで あの公演を1番好きだとあげる人もいる
そうそう。くだらないだけじゃなくて、完成度が高かったとネットに書いてあった
そうだね。ギャグだけではなかったからなあ。噂を広める会社もさ 陰謀みたいなのがあって その陰謀に 主人公が巻き込まれていくっていう話だったんだけどね。 なんとなく世間的なものを揶揄したメッセージみたいなのもいれこんでみたんだよ。自分たちが よく話している噂って 実体がないもので、それにふりまわされる怖さみたいなものとかね
これもネットからの情報なのだけど、何か大きな脚本上の仕掛けがあったようだね。みんなが驚くような
ああ・・・そうだね。 ドンデン返しだね。 そういうのはあったな。 カリバカには だいたい3種類くらいパターンがあるのだけど ネムリタとか ミュージアムとか は、わりとストーリー重視のコメディ。笑いつつストーリーを追えるような
ネムリタは良かったよ、ほんと。他には?
秋空マンゴー は ストーリーより笑いメインみたいな。もちろんストーリーもあるのだけど、比率としてはギャグ多いね。 島田の黒 は サスペンス重視だった。つまり 恐怖メインみたいな。 恐怖というか 人間の怖さみたいなね
なるほど、それで、噂のアレはどれに入るの?
噂のアレは 難しいな。 笑いメインなんだけど サスペンスだな。 だから 秋空マンゴーと 島田の間くらいかな
島田の黒はDVD見たよ。あれは凄い大どんでんがえしだった。驚いて夜中に奇声をあげたよ
おお、そうか。 どんでん返しは 結構いれこむね
今回リメイクして「甲虫とゴシップ」になるわけだけど、ドンデン返しの仕掛けは変わらないの?
リメイクと 再演の違い
ってやっぱりあってさ。 再演はやる気なかったんだよね。同じことしてもしかたなかったから。 だけど 設定は生かしたいなって思ったのさ
劇団としては 常に挑戦しつづけたいと
そうそう。 噂のアレでさ、噂を広める社員同志が 噂対決ってのをやるシーンがあるんだ。 どちらの噂が信憑性が強いかでダメージをくらうっていう。 あれは面白いから今回も使おうと。 噂を広める会社っていう設定と 噂対決はいれたかったんだよね。 で、噂を新しいのにすげかえるだけだと それも再演でいいって話だからちょっと変えてみたかった
仕掛けも変えてしまったんだね
噂のアレでは 何の罪もない主人公が 噂の会社の手口に翻弄されて巻き込まれるっていう話なんだけど。 今回は 主人公が 会社の社員になってしまうんだ。 自らも噂を広める方法を学ぶ。 主人公ひとり 対 巨大な悪 という構図に対して 主人公対会社の中の確執みたいなね
ああ、それじゃ かなり違うじゃない
だから ほぼモチーフだけもらうって感じかな
じゃあ
カリバカ初リメイク
のモチーフとして噂のアレを選んだのは、なぜ?他の公演でもいいのに
まず、噂を広めるっていうモチーフだけもらえればストーリーは自由に作り直せるっていうところ。 あと噂対決というような無駄に熱い「戦い」というのをやってみたいというのと。第5回と言うのはまだ学生の時の自分だったけど あれを今回はさらに越える作品にしたいという
過去への挑戦
だよね
なるほど、野心たっぷりなわけだ
あはは、そうだな。ひとにぎりの野心そして心に花束だよね
・・・・・・・・
・・・・ごめん、心に花束は嘘
あまりにも花束が似合わなくて白々しくて、絶句しちゃったよ。こちらこそ突っ込めなくてごめん
・・・・それ、よけいにひどいよね・・
甲虫とゴシップ
甲虫とゴシップは、さっきの3種類の分類でいうと、どれに入るの?
そうだなあ。ネムリタみたいな落ち着いたお話ではないけど ああいう
ストーリー&笑い
かな。でも笑いはかなり多いかな。 しっとりした話ではなく 前半から最後まで ビュンビュンとばしていくような。 秋空マンゴーくらいギャグははいってるかな
それでいてネムリタのような計算しつくされたストーリーも入ってると おもっていい?
ああ、そうだね。 ただ、見ているほうは ネムリタみたいに スローテンポですすまないから ストーリーは 単純に ぐわーって見ちゃうかもしれない。 ネムリタはわりとゆっくりだったでしょう
そうだね、催眠の話しだったし
まあ、メッセージみたいなのも些少はあるけど お客さんには 存分に楽しんでもらいたいな。
くだらねー、といってほしい。 客席で。
ほんとうに まあ、くだらねーんで
稽古を少し見たけども、なんかありえない妙な動きをしてたね
あはは。そうだね。ありえない動き、してたかもしれないな(笑)
複雑に手足と体が からまってた。たしかにくだらない。そうか、あれがラッシュでくるのかー。 腹筋が鍛えられそうだ
あはは
みんな面白いよね、いかにして台本どおり読まないかという競争したり
あはは。そうだね
今回のメンバーについて、どう思う?
そうだね。いつものメンバーに関してはいい感じでしあがってるんじゃないかな。 大口もいつもどおりくだらないし、 その他メンバーも成長してるしね。 客演の方々もなかなかなじんできたし。 アットホームな感じですすんでるんじゃないだろうか。 まあ、脚本もっていくと みんな笑ってるし、いいんじゃねえのかな
5回目の公演から比べると劇団としても成長してる?
そうだね。
それはもう成長してる
と思うなあ。 石田なんかは5回目は 小さい役だったけど 今回は大口と コンビだしね。 清水なんかも ますます面白くなってるし。 宮は宮でね、あのエロい声もますます健在だしね
ああ、無駄にエロイねあの声(笑)
あはは。 それに5回目ってのは 外部客演もあったし 演出は僕じゃないからね
素人的質問で申し訳ないけど、演出が主宰になると、どう変わる?
まず 脚本と演出がさ 別々の人になったとするじゃんか。 すると 感性がちがったりするから ギャグの言い方とか ここでこう飛ぶ、とか そういうのの感性が違ったり せりふをここでたててほしい、とか ここのくだらなさってそういう部分じゃないよね、とかは 口だせないよね。演出家が別だと。 もちろん いい部分もあるんだけど 自分で思いつかない発想とかも外部に頼むとあったりするからさ
よく分かったよ。主宰の感性独特だもんね、子供っぽいというか。あ、いい意味でね
あははは。 そうそう。くだらなすぎることとかさ。 演出家って 他の人僕より精神的に大人だから・・・
主宰より子供だったら たぶん、言葉をしゃべってないと思う・・・
僕・・・そんな下なんだね・・・
演出家が ばぶーとかしか言ってたら仕事にならないからね
それ1歳以下だね・・・
ま、そういう人としてはギリギリだけど、面白さでは負けない感性。それを舞台上に ぶわーっと出せますよ、そういうわけだ
・・・・人としてはギリギリなんだ・・・。ギリギリなんだ・・・ギ、リ・・・ ああ、そうですよ、ええ、そうですとも
いや、ほら。いい意味で考えて、いい意味で。面白い自信は絶対にあるでしょ、あなた
それがなかったら ちょっとまずいかもしれないよね。主宰としては(笑)
Dlix→甲虫とゴシップ
前回の公演なんだけど、賛否両論あったじゃない。やはりそれも触れておかないと
そうね。酷評から賛成まで いろいろあったけど。 今までのカリバカとはまったく違うことをやってみたので 面白かったし、勉強になったな
あ、やっぱりまったく違うんだ
ダンスやら ショーやらいろいろとりいれてみたからね。 構造として見せるより ばらばらのシーンシーンを ひとかけらひとかけらのせていく芝居作りにしたのだけど
そのまったく違うことをやってみて、勉強になったことを教えて
まず、やはりいつもどおり構成主体というのは 観客にとって親切だということ。 あと、あの
躍動感
というのは なかなか勉強になったな。 ダリックスを褒めている人ってのは ああいうダンスとかさ 大道芸だったり こまごました構造の仕掛けより 人間がやる仕掛けが好きな人が多い
ああ、すごく良く分かる。大道芸人のはしくれとして。体を動かす面白さを演劇でやったわけだ
まあ、カリバカではやらなかっただけで 体の動きで見せていく劇団はいくつもあるのだけど、 カリバカで挑戦するのは初だったというわけだね。で、今回公演には ダンスとか 大道芸とかはないのだけども ああいう躍動感みたいなのはいれたいなあと思ってね。
人が動く面白さ
みたいなの。小さいことだけど 対決シーンとかさ。 そういうので妙な動きしたりとかね
そうか、よく分かったよ。最後に お客様にこの場で伝えたいことは ある?
今回は カリバカのくだらなさ、が どどんと出てくる公演です。過去の公演をさらにパワーアップさせてますので・・・。見なきゃ後悔するって噂・・・
今回は座席数が少ないのでお早めに、と制作的発言もしておきます。 もうけっこう売れてるという噂・・・
マジで?
けっこうマジで。インタビューするの ちょっと遅かったと後悔してるくらい。これを見て行きたいとおもった人は、今すぐ買うくらいの勢いでお願いします。観れなかったら 申し訳ないので
あら うれし。ところで、おなかすいたなあ・・・なんか食わないか?
オーケー。たべよう。ごはんものでいい?
ああ・・・頼む腹が減って・・・腹が減って・・・
赤い風船と白い風船をくっつけるだけで、お手軽にお寿司のできあがりー
さあくえ
わあ・・・お寿司だーー。・・・苦ぇ・・・・・・・苦ぇよ・・・ハムハム・・・
(パン!)
・・・割れた
お会計は5千円になります
たけぇ!
この前の お好みやき代だよ。さあ耳を揃えて返してもらおうか。でなければ帰れ
・・・ごめんちょっと待ってね・・・おなかすいてるんで何か食べさせてください
(店員に向かって)
すみません エビピラフひとつ
ありがとう、ふーせん
いや、自分の食べる分だから
・・・あの・・・僕もたべたいんですけど・・・・
余ったらあげるよ。ほら 残り物には福が在るって噂だよ
・・・それ・・・うわさじゃなくてコトワザだよね・・・・・・・・・・ああ めまいがしてきた・・・このままだと 主宰を餓死させた非情な制作として噂の人になるよ・・・・・
いい宣伝になるね。それで行こう
(了)